人はみな大河の一滴


蒸し暑さで眠れず久しぶりに五木寛之さんの心の天気図というエッセイを読んでいました。
そこに上の題名があり、あぁ昔よく読んだなと思いもう一度読み返しました。
私的にはとても憧れる考え方です。好きな部分を書き出します。

最近、やたらと死に急ぐ人が多い。
〜中略〜
人間の命などというものは、か細く頼りないものである。
本人は太いつもりでいても、長い目で見れば、細く短い人生だった、ということになりかねない。
人はつまるところ大河の一滴である。大きな河の流れに身をまかせて、おのずと海へくだってゆくのだ。
その流れの上で、ピチピチ跳びはねたり、岩にぶつかったり、深い淵によどんだり、
流れに逆らって渦を巻いたり、いろんなことをするが、結局は一滴の水として海に還る。
死ぬということは、つまり大きな生命の海に還ってゆくことだと考えたい。
なつかしい海の懐に抱かれてしばしまどろみ、やがて太陽の熱と光をうけて蒸発する。
そして雲となり、霧となり、雨となって、ふたたび空から地上へ降りそそぐ。
なんとも月並みな子供っぽい物語だが、それが実感できたら強い。
あわてて自殺などする気がおきなくなるだろう。

あらためて、自信を持ちつつも、謙虚に生きたいと思いました。